2020年1月26日日曜日

日本のイボイボナメクジ類 26Jan2020

日本産イボイボナメクジ類 Rathouisiidaeに関する論文が出版されました。
Phylogenetic position of the Japanese land slug genus Granulilimax Minato, 1989 based on preliminary analyses of mitochondrial and nuclear genes

イボイボナメクジ Granulilimax fuscicornis は、記載時には Philomycidae(ナメクジ科:ナメクジ・ヤマナメクジ等が含まれる科)として扱われました。この記載論文には英語の説明があります。

後ほど、イボイボナメクジは Rathouisiidae(ホソアシヒダナメクジ科)という全く系統の異なる科に移されました。この変更を行った論文には英語の説明はありません(というか日本語でも本文中にまともな説明は見受けられません)。

するとどうなるのか?

当然、世界的には、イボイボナメクジはPhilomycidaeだよね、という認識のままです。
軟体動物の分類データベースであるMolluscaBaseでもそうです(as of 26 Jan 2020)。


イボイボナメクジをRathouisiidaeとして話を進めている私の論文を査読するのは誰か?海外の研究者です。すると、勝手にイボイボナメクジをRathouisiidaeに移すな!と指摘されるのです・・・・。

・・・・。

本当は琉球諸島のいくつかの島で採集されたサンプルを用いてストーリーを作っていたのですが、「イボイボナメクジはPhilomycidaeじゃないですよー」という論文をわざわざ書くことになりました。

多クノ時間ヲ無駄ニシタ気ガシマース。

2019年12月18日水曜日

韓国・鬱陵島(ウルルン島)のハサミムシ類(Dermaptera) 18Dec2019

冬なので野外にはほとんど行かず、実験や論文書き等に時間を使います。
論文書くためにウルルン島の先行研究調べたりしてると、別の視点に移っちゃうことも多いです。

今回はハサミムシに目を奪われてしまった。

ウルルン島(+近くの2つの小島)のハサミムシ類
・Forficulidae クギヌキハサミムシ科
Anechura japonica (Bormans) ヤマトコブハサミムシ 좀집게벌레
    ?
Anechura harmandi (Burr) コブハサミムシ 혹집게벌레``
    北海道,本州,四国,九州
Forficula scudderi Bormans クギヌキハサミムシ 못뽑이집게벌레``
    北海道,本州
Timomenus komarowi (Semenov, 1901) モモブトハサミムシ 고마로브집게벌레``
    対馬

・Labiduridae オオハサミムシ科
Labidura riparia japonica (de Haan) オオハサミムシ 큰집게벌레
    日本全域

・Anisolabididae ハサミムシ科
Gonolabis marginalis (Dohrn) ヒゲジロハサミムシ 끝마디통통집게벌레``
    本州,四国,九州,南西諸島
Anisolabis maritima (Bonelli) ハサミムシ(ハマベハサミムシ) 민집게벌레
    日本全域

``ウルルン島では記録が少ないポイ。

*クギヌキハサミムシの学名については、Forficula tomis とする考え方もあるポイ。
*Lim & Lee (2012); Lim et al. (2013); あの秘密図鑑(2014)




ふーん、ハサミムシって結構分散能力高いのかしら。


興味深いHP「オオハサミムシの飼育を始めよう


2019年11月27日水曜日

恋矢の話 27Nov2019

先日、Jタウンネットさんのカタツムリのラブダートに関する記事作成に協力させて頂いた。ツイッターで恋矢の話が盛り上がってたことが記事作成のキッカケのようだったが・・・・?その時は良く知らなかったが、時間が取れたので、ちょっと恋矢に関するツイートを見てみた。

色々あって面白い!

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https://twitter.com/99728hk/status/1195655697851019264
個人的に一番すきポイントはペニスに相当する部分を「恋矢」って表現するとこね
ちな相手に恋矢を刺すことをダートシューティングっていうらしい
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やっぱどうしても恋矢=ペニスということになっちゃうんだよね。ペニスを男性生殖器という意味で使ってるならいーけど、精子放出部位として使ってるなら間違ってるんだよね。

まあ細かい話か。


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https://twitter.com/nalmaz/status/1196059399581655040
雌雄同体で恋矢突き刺し合戦するのは日本のそこらへんにいるナメクジも同様なんですけどね
生むほうが寿命縮むからお互いに「お前が産め」「いやお前が産めよ」というなんとも言えない争いが発生する
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海外には恋矢持ってるナメクジはいるけど、日本では今んとこ見つかってないんじゃないかなー。


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https://twitter.com/uncountablenow/status/1193835124351070208
雌雄同体でも「産むコスト」を避け「産ませる戦略」を取るのか…これがどこかで雌雄分化するなんてことはあり得るんだろうか。

変異として「産ませることに有利な個体(強力な恋矢を持つことによる産む産ませるのバランスの個体間での不均衡)」が一定数出てきたときに、どんな進化があるか?しかしそもそも恋矢自体「産ませる」ために進化した形質と思われるので、結果的にはそれが雌雄分化につながるようなことはなかったのか。

いや、恋矢が単純に精子の消化を阻害するために進化したのだとしたら、それ以前に精子を消化する能力があったことになるけど、それだと全カタツムリが精子を消化して絶滅だよな……精子の消化を阻害する物質はもともと自分で持っていたとか?さらに恋矢本体は別の機能からの転用とか?
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ウェルカム


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https://twitter.com/eromuzyoolt/status/1195338279714902016
カタツムリって恋矢っての持ってて、自分に注がれた精子を他の雌役に渡さないように相手を刺し殺すって聞いた。エモくね?
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emo


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https://twitter.com/totohohonoho/status/1193858363311812609
命名多彩な昨今、日本のどっかには「恋矢」さんがいると思われるから、ご本人の由来はどうあれ、微妙な気持ちなんだろうな
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確かに。お名前の場合は「れんや」さんでしょうか。恋矢の研究者を代表してお詫び申し上げます。微妙な気持ちにさせてしまい申し訳ありません。


2019年11月11日月曜日

韓国・カゴ島(可居島・Gageodo Island)のカタツムリ 11Nov2019

今年、カゴ島という韓国の南西部にある小さな島で調査を行いました。恐らく非海産貝類の調査は初です。海産貝類のリストも見つからないので、行われてないのかもしれません。

一通り陸貝相は把握できたと思いますが、リスト化より先に、着目すべき種を切り分けて公表することにしました。

1つ目として、韓国で記録のなかったOtesiopsis レンズガイ属の発見報告がBiodiversity Data Journalに掲載されました。
https://bdj.pensoft.net/articles.php?id=46984&journal_name=bdj



保全の方も行政の担当者さんと話さないといけないですし、韓国南部の島とかにも分布しているか調査してみないといけません。

2019年10月29日火曜日

韓国のカニムシ 29Oct2019

カニムシはやーらかい生き物ではないかも知れません。

ですが、カッコよくて好きなので、それなりに力を入れて研究してみようと思っています。

まずは
「朝鮮半島におけるイソカニムシ Garypus japonicus の発見報告」
という短報を仕上げました。



日本のみならず、アジア大陸にも生息していることが判明しました。報告したのは仁川空港の近くなので厳密には島ですが、半島部分でも複数個所で発見しています。

中国の対岸エリアにもいるんでしょうね、きっと。

2019年10月19日土曜日

韓国の陸産プラナリア 19Oct2019

かたつむりを探していると、それなりの頻度でコウガイビルやその他のプラナリアと出会う。そして、こいつらは「やーらかい生き物」でけっこー好みなのです。


まだまだ分類学的に再検討が必要なグループですが、この個体は
Diversibipalium koreense という 韓国を名前に含む種類(or その近縁種)っぽい。

細かな形態観察はできないので、いずれ、DNA barcoding的データの蓄積などの貢献ができれば良いのですが。

2019年9月29日日曜日

韓国・巨文島(コムン島・Geomun Island)のカタツムリ 29Sep2019

コムン島は韓国の南側にある諸島で、東西と中央の3つの島で構成されています(橋でつながってますが)。麗水(ヨス)からフェリーで3.5時間ぐらいだったはず。

国立公園に含まれてるんですが、許可を得られたので、夏に調査をしてきました。



さすが国立公園、けっこー良い森が保存されていましたね。オオベソマイマイ類(Aegista)も比較的多くいました。

韓国のイボイボナメクジ類(ゴマシオナメクジ類) 29Jan2021

韓国で初めてイボイボナメクジ類(ゴマシオナメクジ類)が記録されたよ、という報告文がBiodiversity Journalにて出版されました。 Note on occurrence of the land slug family Rathouisiidae Heude, 1885...